86歳の谷川さんの新作はひらがな詩、46篇。
「かなで書いているので、子どもの詩集かと思われるかもしれませんが、これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です」
ハハ、チチ、アニ、アネ、オトウト、バアバ、ジイジ、ぼく、わたし、
たくさんの家族があらゆる場面に登場し、最後に「まだうまれないこども」という詩で幕を閉じます。
重ねてきた年輪(バウムクーヘン)をゆっくりと剥がしていき、魂を見つめ、記憶を辿るような不思議な感覚。
生きている不思議を谷川さんらしい深く、わかりやすい言葉で書いた名作です。
装画の黄色い花はディック・ブルーナ。
著者:谷川俊太郎 装丁:名久井直子 出版社:ナナロク社 2018 四六変形上製、角丸加工、ハードカバー 112P
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